DKIMとは?仕組みや設定方法・効果をわかりやすく徹底解説!

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「メールが届かない」「受信者からの返信が来ない…」とお困りの方は多いのではないでしょうか。

そんな方のためにDKIMというメール送信者の認証技術をご紹介します。

DKIMはメールの信頼性を高め、受信者があなたのメールを正当なものと認識するのを助ける仕組みです。
そんなDKIMの基本的な仕組みから、具体的な設定方法、そしてなぜDKIMがメール配信の問題を改善するのかをわかりやすく紹介しています。

ぜひ最後までご覧ください。

DKIMとは?

DKIMは、DomainKeys Identified Mailの略で、メール送信者の認証技術の一つです。
具体的には、メールが本当にその送信者から来たものかどうかを確認し、メールの信頼性を高める役割を果たします。
DKIMは、なりすましメール対策メールの信頼性向上を目的に開発されました。

なりすましメール対策としてのDKIM

なりすましメールは、偽装された送信元アドレスを使って、受信者をだまして情報を盗む手法です。

DKIMは、メールの送信元ドメインに対して電子署名を行い、受信者側で検証することでなりすましを防ぎます。

またDKIMは、他の送信ドメイン認証技術とも連携が可能です。SPF、DMARCを併用することで、偽装、改ざん、スパム、フィッシング詐欺などのセキュリティリスクを最小限に抑えることができます。

SPFについては、「SPFレコードとは?仕組みや設定方法、正しい書き方も解説します」で詳しく解説しています。

他の送信ドメイン認証技術との連携については、後述する「DKIMと他の送信ドメイン認証技術の関係」の章で詳しく紹介します。

メールの信頼性向上を目指すDKIM

DKIMは、メールの信頼性を高めるための技術でもあります。
DKIM署名が付いたメールは、メール発信元アドレスが改ざんされていないことが確認できるため、受信者は安心して受け取ることができます。

DKIMには、セレクタという仕組みがあります。セレクタは、同一のドメインから送信される複数のメールに対して、異なる秘密鍵を使用するために使用されます。

セレクタの例をあげると、「example.com」というドメインで「[email protected]」と「[email protected]」の2つのメールアドレスを持っている場合、この2つのメールアドレスにそれぞれ異なる秘密鍵を使い署名が可能です。

セレクタは、同じドメイン内で異なる秘密鍵を管理する際に役立ち、セキュリティを強化します。

DKIMの仕組み

DKIMの仕組み

DKIMは、メール送信者が秘密鍵を使ってメールに署名し、受信者が公開鍵で署名の正当性を確認する仕組みです。この署名には、ヘッダーと本文の情報が含まれます。

DKIMは、以下のプロセスにより、メール送信者が認証され、メールの改ざんやなりすましを防ぎます。

  1. コード生成と署名: メール送信者がメールの特別なコード(ハッシュ値)を作り、それをDKIM-Signatureヘッダーに追加します。そのヘッダーは秘密鍵で暗号化されます。
  2. 公開鍵取得と検証: メール受信者はDKIM-Signatureヘッダーから情報を得て、DNSサーバーから送信者の公開鍵を手に入れます。
  3. 署名解読とコード比較: 受信者は公開鍵で署名を解読し、メールの内容をコードに変換して元のコードと比較します。
  4. 一致確認: コードが一致すれば、メールの送信者が確認され、メールの改ざんがないことが証明されます。

DKIM導入のメリットと必要性

DKIM導入のメリットには、以下があります。

  • 迷惑メール被害の防止
  • メール到達率の向上
  • IPアドレス評価の維持

迷惑メール被害の防止

迷惑メールは、受信者にとって非常に迷惑なものです。
迷惑メール被害は、メールの不正送信によって発生することがあります。

DKIMを導入することで、メールの送信元が偽装されることを防ぎます。
それにより、迷惑メールの被害を減らすことができます。

メール到達率の向上

DKIMを導入することで、メールの到達率が向上することが知られています。
これは、DKIM署名がされているメールは、ISPなどのフィルタリングシステムによって、スパムメールとして認識されにくくなるためです。

この署名によって、メール受信者は、メールが本物であることを確認できます。
DKIMを導入することで、メールサーバーからのメールが信頼されるものとして扱われるため、メール到達率が向上します。
これは、メール受信者が、メールがスパムであると誤って判断する可能性を減らすためです。

また、DKIMは、メール送信者のドメインがスパムリストに登録されることを防止するためにも役立ちます。

IPアドレス評価の維持

DKIMの導入によって、IPアドレス評価の維持も可能になります。

IPアドレスは、メールの送信元を特定するために利用されます。
しかし、迷惑メールを送信するスパマーたちは、IPアドレスを偽装することで追跡を回避しようとしています。
このような偽装を防ぐために、メールにはDKIM署名が付与されます。

DKIM署名には、メールの送信元ドメインの秘密鍵が用いられます。この秘密鍵を持つのは、ドメインの管理者だけです。

メールを受信する側は、送信元ドメインの公開鍵をDNSから取得し、DKIM署名を検証することで、メールの送信元が本当にそのドメインから送信されたものかを確認できます。

DKIM署名が正しく検証されることで、メールの送信元ドメインの信頼性が高まります。
これによって、IPアドレスの評価も維持できます。

DKIMの設定方法

DKIMの設定方法については、コアサーバーのV2プランを例に解説します。

ここからは、コアサーバーでのDKIM認証の方法です。

  1. 左メニューの「メール」をクリック
    コントロールパネルに「ログイン」後、左メニューにある「メール」をクリックします。
  2. コアサーバーのメールメニューの画面
  3. 「DKIMを有効」をクリック
    右上の「DKIMを有効」ボタンをクリックします。
  4. コアサーバーのDKIM有効ボタンの画面
  5. DKIM設定完了
    「Success」とメッセージが表示されたらDKIM設定は完了です。
  6. コアサーバーのDKIM設定完了画面
  7. DKIMの設定内容を確認する
    1.左メニューにある「DKIM管理」をクリックします。
    2.対象の「値」に記載されているテキストをクリックします。
  8. コアサーバーのDKIM設定確認画面
  9. 「値」の内容をコピーし、ドメインのDNS設定を変更する
    1.表示された「値」の設定内容を全てコピーします。
    コアサーバーのDKIM設定変更画面

    2.ドメインのDNS設定画面にて設定を行います。

    【DNS設定例】 txt x._domainkey v=DKIM1; k=rsa; p=MIIBI*****(赤文字がコピーした値の部分)*****

    コピーした文字列をドメインのDNS設定に貼り付ければ設定完了です。

    バリュードメインでのDNS設定変更手順はこちら
    DNS設定の変更がインターネット上に反映されるまで、5~30分程度かかる場合があります。

SPF認証だけでなくDKIM認証も行うことで迷惑メールとして弾かれてしまうリスクを減らすことができるので、確実にメールを届けたい人はぜひ試してみてください。

DKIM導入後の注意点と管理

DKIM導入後に注意する点と管理について説明します。

鍵の管理と更新

DKIM導入後、秘密鍵の取り扱いは下記の点に気を付けましょう。

  1. 鍵の更新
  2. 鍵の管理
  3. 鍵を紛失した場合の対処法

鍵の管理と更新は、DKIMを導入した企業にとって非常に重要なポイントです。
鍵の管理と更新を怠ると、DKIMの効果が薄れ、セキュリティに問題が生じる可能性があります。

1.鍵の更新
DKIMの鍵は定期的に更新が必要です。
鍵を定期的に更新することで、セキュリティを強化し、なりすましメールの被害を防ぐことができます。

また、鍵の更新には、十分注意しましょう。誤った設定がされると、メール送信の際にエラーが発生する可能性があります。

2.鍵の管理
DKIMの鍵は、セキュリティ上の理由から、できるだけ少数の人間のみがアクセスできるようにしましょう。
また、鍵を保管する場所も、セキュリティを考慮して選定する必要があります。
鍵を保管する場所については、社内で管理するのか、サードパーティーのサービスを利用するのかを検討する必要があります。

3.DKIMの鍵を紛失した場合の対処方法
鍵を紛失した場合は、新しい鍵を生成し、再度設定を行う必要があります。
鍵を紛失しないためには、鍵の管理に十分な注意を払い、定期的にバックアップを取ることが重要です。

DKIMを導入した企業は、鍵の管理と更新を怠らず、常にセキュリティを意識した運用を心がけることが大切です。

DNSレコードの運用

DNSレコードの運用については、DKIMの導入後に重要な手順の1つです。
DNS運用手順は、下記の通りです。

1.TXTレコードの作成
DNSレコードの運用には、DKIM署名の公開鍵を含むTXTレコードを作成する必要があります。
このTXTレコードは、ドメイン名とセレクタ名に基づいて作成されます。
セレクタ名は、ドメイン名と共に、DKIM署名の公開鍵を識別するために使用されます。

2.DNSサーバーへのアップロード
DNSレコードの運用には、公開鍵を含むTXTレコードをDNSサーバーにアップロードする必要があります。
このプロセスは、DNS管理者によって行われます。
DNS管理者は、TXTレコードを適切に設定し、署名の検証を行うために必要な情報を提供する必要があります。

3.公開鍵の定期的な更新
DNSレコードの運用には、公開鍵の更新も含まれます。
公開鍵は、定期的に更新する必要があります。これは、セキュリティ上の理由からです。
更新された公開鍵は、DNSレコードに追加されます。

4.監視とトラブルシューティング
DNSレコードの運用には、監視とトラブルシューティングが含まれます。
監視は、DNSレコードが正しく機能していることを確認するために行われます。
トラブルシューティングは、DNSレコードに関連する問題を解決するために行われます。

DNSレコードの運用は、DKIM署名の検証に不可欠な手順です。
DNS管理者は、公開鍵の適切な設定と更新を確認する必要があります。
また、DNSレコードに関連する問題を解決するために、監視とトラブルシューティングも必要です。これにより、電子メールの認証プロセスがスムーズに機能し、セキュリティが維持されます。

DKIMと他の送信ドメイン認証技術の関係

DKIMだけで完全にメールのセキュリティを確保することはできません。
そのため、他の送信ドメイン認証技術との連携が必要となります。

DKIMとSPFの併用

SPF (Sender Policy Framework)は送信元IPアドレスが送信者の正当なものかどうかを確認する技術です。

DKIMとSPFを併用することで以下のメリットがあります。

  • 送信者認証の補完: DKIMはメッセージの整合性を確認し、SPFは送信元IPを確認します。両方の技術を併用すると、メールの送信者が正当であることをより確実に確認できます。
  • 偽装メールの防止: DKIMはメールの改ざんを防ぎ、SPFは偽装された送信元IPを検出します。これにより、なりすましメールやフィッシング詐欺を防ぐことができます。
  • メールの到達率向上: DKIMとSPFの組み合わせによって、受信側のメールサーバーが正当なメールを確実に受け入れることができ、スパムフィルターでの誤判定を減少させます。
  • 信頼性向上: ドメインの信頼性を高め、メールの送信元をより正確に識別できます。

SPFとDKIMと併用することで、より強力な認証技術となります。

DKIMとSPFの違いとは?

SPF認証送信元のメールアドレスが怪しいものでないと確認する仕組み
DKIM認証メール本体に電子署名を付与して送信元の認証を行う仕組み

DKIMとSPFは、どちらもメール送信者の認証技術ですが、その仕組みや目的は異なります。

DKIMは、メールの送信者が本物であることを確認するために、メールに署名を付ける技術です。
一方、SPFは、送信元のメールアドレスが怪しいものでないことを確認するために、送信元のIPアドレスを認証する技術です。

DKIMとSPFは、相互補完性があります。両方を組み合わせることで、メール送信者の認証がより強固になり、スパムメールやフィッシング詐欺などの被害を防止します。

DMARCとDKIMを連携

DMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting, and Conformance)は、送信元ドメイン認証技術の1つです。

DMARCでは、メール送信ドメインのDNSレコードにポリシーを設定し、メール受信サーバーに認証結果と振る舞い指針を伝えます。

SPFやDKIMの認証結果を受信者側に通知する技術のDMARCとDKIMを連携することで、メールの送信者認証を強化し、なりすましメール対策を強化することができます。

また、DKIMとDMARCの連携によって、メールの配信率も向上します。
DMARCは、送信元ドメインの認証情報をDNSに登録することで、メールサーバーに信頼性を示します。これにより、メールがスパムフィルターに引っかかりにくくなり、受信者に確実に届きます。

DKIMとDMARCの連携は、メールセキュリティを強化する上で必要不可欠な技術です。

導入することで、迷惑メール被害の防止やメール配信率の向上などのメリットを得ることができます。

しかし、導入には正しい設定が必要であり、鍵の管理やDNSレコードの運用などの注意点もあります。
適切な管理と監視を行い、DKIMとDMARCを活用して、より安全なメール環境を実現しましょう。

まとめ

DKIMとは、メール送信者のドメイン認証技術の一つであり、なりすましメール対策と信頼性向上を目的としています。

DKIMは、メールの送信者がドメインの所有者であることを証明するために、メール本文に署名を付けます。
この署名は、メール受信者側で検証され、改ざんされていないことが確認されます。

DKIMと他の認証技術を連携させることで、より効果的なメールセキュリティ対策が実現できます。
DKIMだけでなく、SPFやDMARCとの連携を検討し、適切な設定を行うことが重要です。

DKIMを正しく設定し、なりすましメール対策や信頼性向上に役立てましょう。
コアサーバーV2プランでは、スムーズにDKIMの設定を行うことができるようDKIM設定機能をご用意しています。

ぜひ便利で安全なコアサーバーをお試しください。

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この記事を監修した人
左川善章
左川 善章

GMOデジロック インフラエンジニア
ボケもツッコミも下手な関西人。Windows98で動作するWebサーバーを使用した自宅サーバー構築から初めて、紆余曲折を経て今に至る。
▽登壇実績
https://ct-study.connpass.com/event/55305/
https://gmohoscon.connpass.com/event/102401/

Posted by admin-dev


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