あまり聞き慣れない「IPアドレス」という言葉ですが、インターネットをする上では不可欠な存在です。もちろんこのページを閲覧するのにもIPアドレスが使われており、その役割を果たしてくれています。
今回は、意識しないけど重要な「IPアドレス」について理解を深めてもらいたいと思います。
IPアドレスの役割
IPアドレス (Internet Protocol Address) は、ネットワークに接続されている個々の機器に割振られた識別子※1で、ネットワーク上の住所とも言われ、「157.7.184.35」の様に「.」(ピリオド)で区切られた4列の数字の羅列で成り立っています。
インターネットなどのネットワーク上では、サーバーやルーターなどの機器間の通信は、この識別子で経路を割り出すプロトコル※2によって行われます。住所(所在地)と形容するだけあって、この数字の識別子でデータの送信先や参照元となるコンピューターの位置を特定することができるのです。
※1:個々を区別するのに用いられる名前や数字です。
※2:コンピューター同士のネットワーク通信に関する決まり事です。
IPアドレスの種類
グローバルIPアドレス
グローバルIPアドレスはICANNやJPNIC※3などの上位機関によって管理されており、利用する際は申請して、割り振ってもらう必要があります。
※3:ドメイン名やIPアドレス、DNSルートネームサーバーなどの管理を行っている機関です。
プライベートIPアドレス
会社や家庭内のローカルネットワークに接続されたパソコンなどに割り当てられるIPアドレスで、ネットワーク内で重複しなければ自由に設定できます。
ただし、インターネット通信を行う際は、NAT機能(プライベートIPアドレスをグローバルIPアドレスに変換する)をもった機器(ルーター)を介する必要があります。
IPアドレスの形式
IPv4
IPv4 (Internet Protocol Version 4) は、8ビットずつの10進数で成り立つ、32ビット(4バイト)のIPアドレスです。それを10進数(0〜255の組み合わせ)で表記しています。
本来、コンピューターは2進数が理解しやすいのですが、人間には分かり辛いので10進数で表記しています。
2進数 | 10011101.00000111.10111000.00100011 | コンピューター向け |
10進数 | 157.7.184.35 | 人間向け |
IPv6
IPv4は約43億通りの膨大な数がありますが、インターネットの急速な普及により枯渇しつつあります。
それを解消するために作られたのがIPv6 (Internet Protocol Version 6) で、128ビットのIPアドレスです。16ビットずつ「:」(コロン)で区切られた8つの数値を、16進数で表記しています。
2000:210:8100:c800:33c8:d2ff:fe8b:8abc |
IPアドレスの構造
識別部分
IPアドレスは、「ネットワーク部」と「ホスト部」の2部分の情報で構成されています。
192.168.0.
赤字部分はネットワーク部と呼ばれ、国やISP(プロバイダ)によって利用可能な数値が決まっています。 と呼ばれ、ネットワーク「192.168.0」内にあるどの機器かを判別します。そして、ここの数値の大きさがネットワークの規模に相当します。
クラス
クラスD、Eもありますが、今回はそれらを省いて、主要なIPアドレスのクラスについて説明します。
ネットワーク部(赤字部分) | 2進数で表した時 | ホスト台数 | |
---|---|---|---|
クラスA | 0.255.255.255(8ビット) | 0で始まる | 1677万台 |
クラスB | 128.255.255.255(16ビット) | 10で始まる | 6.5万台 |
クラスC | 192.255.255.255(24ビット) | 110で始まる | 254台 |
ホスト部が大きければ大規模なネットワークであると説明しましたが、表の「ホスト台数」にある通り、クラスが上がる程大規模な台数を繋ぐことができるからです。
サブネット化でIPアドレスを有効利用
上の表で、クラスAはホスト1677万台繋げられると説明しましたが、実際こんなに大きなネットワークはあまり存在せず、多くのIPアドレスが利用されず無駄になってしまいます。
そこでIPv4を効率的に活用するためのシステム「サブネット」が誕生しました。この技術はホスト部の範囲を細分化してネットワークを分割し、別のネットワークとして利用できる識別子です。
1つのクラスBのIPアドレスをサブネット化した場合、最大で6.5万台もの接続が行えるネットワークが生まれます。
サブネットで、小さなネットワークを管理することで、柔軟なIPアドレスの運用が可能になります。
ドメイン
ドメインは「value-domain.com」と、アルファベットや数字からなる文字列で、赤字の部分はドメイン種別として予め拡張子(.com や .net)が決まっています。
緑字の部分は登録者の任意の3文字以上の文字列を設定することができ、会社名や単語などを設定したドメインを取得すれば、口頭で伝えるだけでユーザーをWebサイトに導けるのです。
ドメインについての詳細はドメインとは?をご覧ください。
ドメインとIPアドレスを結ぶDNS
インターネット上に設置されているサーバーにはWebサイトのデータを格納し、それぞれにIPアドレスが付与されています。
しかし、本来のサーバーの在処であるIPアドレスではなくドメインを入力するとWebサイトを表示してくれるのは、ドメインとIPアドレスを相互変換するシステム・DNS(Domain Name System)のおかげです。
DNSを実行するDNSサーバーには、どのIPアドレスとドメインが連結しているかの情報が入っており、クライアントから問い合わせのあったURLのIPアドレスを即座に返答します。
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IPアドレスについてご理解いただけたでしょうか?
ここまで述べた内容を要約すると…
- IPアドレスはネットワークに接続されたコンピューター機器を判別するための識別子。
- インターネット用のグローバルIPアドレスと、会社・家庭用のプライベートIPアドレスの2種類がある。
- インターネット上で利用されるグローバルIPアドレスは唯一の存在であり、ネットワーク部で国やプロバイダを特定できる。
- IPv4とIPv6の2通りの形式があり、IPv4はサブネット化でIPアドレスを拡張できる。
- ドメインとIPアドレスを結び付ける機能をDNSと呼ぶ。
ここでは表面的なことしか触れておりませんが、IPアドレスの概略だけでもつかんでもらえればと思います。Webについての造詣が深くなって行くと、IPアドレスの活用法や重要性が見えてきます。